平成13年(ワ)第2870号 損害賠償請求事件
原告 ○○○ほか39各
被告 国ほか1名

                答 弁 書

                             平成14年2月28日

千葉地方裁判所民事第5部 御中

            被告国指定代理人
〒100-8977 東京都千代田区霞が関一丁目1番1号
           法務省大臣官房
            参 事 官  野本昌城
           法務省大臣官房民事訟務課
            課     付 齋藤 繁道
            課     付 藤谷 俊之
            法務専門官 佐藤  武
            第一係長   梅村  上
            係     員 高橋 秀典
            係     員 熊谷   健

〒100-8255 東京都千代田区九段南一丁目1番15号
                  九段第2合同庁舎
           東京法務局訟務部
            部    付 武笠 圭志
            部    付 新谷 貴昭
            上席訟務官 池田 和芳
            訟 務 官 中島 育子

〒260-8518 千葉市中央区中央港1丁目11番3号
          千葉地方法務局訟務部門(送達場所 佐々木あて)
           (電話 043-302-1322)
           (FAX  043-238-1233)
           上席訟務官 上武 光夫
           上席訟務官 藤崎  清
           訟 務 官 江沢 正明
           訟 務 官 渡邊 貞雄
           法務事務官 佐々木定春
           法務事務官 田中  一
           法務事務官 柳原 裕行

〒100-8968 東京都千代田区永田町一丁目6番1号
          内閣官房
           内閣参事官 村上 康聡
           内閣事務官 松永 栄治
           内閣事務官 清武 世子

第1 請求の趣旨に対する答弁
1 原告らの被告国に対する請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。
3 仮執行の宣言は相当でないが,仮に仮執行宣言を付する場合には,(1)その執行開始時期を判決が被告に送達された後14日経過したときとされること(東京高裁平成6年3月30日判決・判例時報1498号25ぺ一ジ参照),(2)担保を条件とする仮執行免脱宣言を求める。

第2 請求の原因に対する認否
1 原告らが訴状において,被告国に対して主張する請求原因事実は,要するに,被告小泉純一郎(以下「被告小泉」という。)が,平成13年8月13日に,内閣総理大臣の職務として宗教法人である靖国神社を参拝したことにより,原告らの有する信教の自由や平和的生存権が侵害されたので,国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求めるというものと解される。そこで,以下においては,この観点から必要な範囲において認否を行う。

2 請求の原因第1の1「はじめに」について
(1) 第2段落中、被告小泉の自民党総裁選挙中の発言については知らないが,平成13年5月14日の衆議院予算委員会における被告小泉の答弁の中に,「内閣総理大臣として参拝するつもりである」旨の発言部分があることは認め,その余は争う。
(2) 第3段落について,被告小泉が,平成13年8月13日の靖国神社への参拝(以下「本件参拝」という。)後,報道陣の質問に対し,「内閣総理大臣として参拝した」と明言したことは否認する。被告小泉は,「公式とか私的とか私はこだわりません。総理大臣である小泉純一郎が心をこめて参拝した」旨の発言をしたものである。
(3) 第4及び第5段落は争う。

3 請求の原因第1の2「原告らの立場と苦悩」について
 不知

4 請求の原因第2「当事者」について
 不知

5 請求の原因第3の1「被告小泉の靖国神社参拝」について
 平成13年8月13日,被告小泉が,秘書官1名とともに,公用車で靖国神社に赴いたこと,同神社参集所において「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳し,本殿において一礼する方式で参拝したこと,「献花内閣総理大臣小泉純一郎」との名札のついた献花をしたこと,献花代3万円を支出したことは認める。その余は不知。
 なお,被告小泉の上記献花代は,同年8月13日に先立って,同被告の私費で支出されたものである。

6 請求の原因第3の3「被告小泉の参拝行為」(8ぺ一ジ,2とあるが,3の誤記と考えられる。)について
 平成13年8月13日夕,被告小泉が本件参拝をしたこと,福田内閣官房長官が,本件参拝に先立ち,別紙の「小泉内閣総理大臣の談話」を発表したことは認める。

7 請求の原因第4の4「戦後の靖国神社」について
 靖国神社が,昭和21年2月2日の宗教法人令の改正により,同令の規定による宗教法人となったことは認める。なお,同神社は,昭和26年4月3日に施行された宗教法人法に基づき,東京都知事により規則の認証を受け,昭和27年9月30日設立登記を完了して同法の規定による宗教法人となっている。

8 請求の原因第7「本件参拝の違憲性」について
(1) 1「憲法における信仰の自由の保障と政教分離規定の意義」について
 日本国憲法が信教の自由を保障していること,いわゆる政教分離規定を置いていることは認めるが,その余は争う。
(2) 2「国及びその機関の宗教活動禁止規定の意義」について
 日本国憲法20条3項が国及びその機関は宗教活動をしてはならない旨定めていること,公務員も個人として信教の自由を有することは認め,その余は争う。
(3) 3「本件参拝は公務である。」について
 被告小泉が平成13年8月13日に,秘書官1名とともに,公用車で靖国神社に赴いたこと,同神社参集所において「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳し,本殿において一礼する方式で参拝したこと,参拝後記者団に対して「私はこだわりません。総理大臣である小泉純一郎が心をこめて参拝した。」旨述べたことは認めるが,その余は不知。本件参拝を公務として行ったことは争う。
(4) 4「本件参拝は宗教行為である。」について
 被告小泉が靖国神社本殿において一礼する方式で参拝したことは認め,その余は不知ないし争う。
(5) 5「信教の自由の侵害」及び6「平和的生存権の侵害」について
 本件参拝が原告らの信教の自由及び平和的生存権を侵害したとの主張は争う。
9 請求の原因第8「原告らの被侵害利益と損害」について
 争う。
10 請求の原因第9の1「被告国の責任」について
 争う。

第3 被告国の主張
 被告小泉の本件参拝は,内閣総理大臣の資格で行われたものではなく,公務員としての職務行為として行われたものではない。また,本件参拝により,原告らの法律上保護された具体的権利ないし法益が侵害されたものともいえない。したがって,本件参拝は,国家賠償法1条1項の要件を具備しない。
 よって,原告らの被告国に対する請求は理由がないから,速やかに棄却されるべきである。


                 附属書類
 1 指定書           3通
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原告の訴状に対する、被告小泉等の答弁書です。